7月24日 第16ステージ カルカッソンヌ〜バニェールドリュション 218km

山岳王アラフィリップ2勝目…マイヨジョーヌはトーマスが死守

ピレネー山麓は見事なひまわり畑が広がる © ASO

【バニェールドリュション(フランス)山口和幸】ピレネー初日は独走していたミッチェルトン・スコットのアダム・イエーツ(英国)が最後の峠からの下り坂で落車。追走していたクイックステップフロアーズのジュリアン・アラフィリップ(フランス)が逆転し、第10ステージに続く大会2勝目を挙げた。同選手は今大会好調で、山岳賞争いでも1位を堅持。

マイヨジョーヌのゲラント・トーマス(英国)を擁するスカイ勢は有力選手の集まった第2集団をコントロール。ライバル勢のアタックを許すことなくピレネーの第1関門を無難に終えた。

崖下に転落したものの不屈の闘志でゴールしたフィリップ・ジルベール © ASO

あの下り坂でジルベールが間一髪の崖下転落
ピレネーに取りつけられた道路はやはり構造的に他の地方と差異があるようだ。超人的な自転車コントール技術を持つツール・ド・フランス出場選手がそう簡単に転倒するわけはない。下りコーナーの曲率半径、路面のバンク角がわずかに一般的道路とは異なる。必死で逃げていたスコットにもあせりはあったが、前輪がスリップして路面にたたきつけられた。すぐに起き上がって再出発したが、その直後にアラフィリップに抜かれた。

「イェーツの勝利を奪って申し訳ない。彼が大丈夫だっから待つつもりだった。ボクも相当のリスクを冒して下っていた」と区間勝利のアラフィリップ。

この日敢闘賞を受賞した元世界チャンピオンのフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)は間一髪だった。下りコーナーの進入スピードが速すぎて、ペダルを外して緊急対処したが、間に合わずに道路脇の石壁に激突。身体はそれを飛び越し出がけ下に転落した。

1995年のツール・ド・フランスで、バルセロナ五輪の金メダリスト、イタリアのファビオ・カザルテッリがクラッシュ。道路脇にあるコンクリート製の車止めに頭部を打ちつけ、24歳にしてその生涯を終えた。この日ジルベールが転落したポルテダスペット峠である。ジルベールはレース後に膝蓋骨骨折が判明したが、転落から救助してもらったときは助けてくれた人たちに笑顔で礼を言い、完走を果たした。

苦しい山岳だがファンの大声援に思わず笑顔が © ASO

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ゲラント・トーマス(英国、スカイ)
マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)
□マイヨブラン(新人賞)ピエール・ラトゥール(フランス、AG2Rラモンディアル)

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